今回は、鍵を失くしてしまい
退去時に鍵交換費用を請求されたときの悩みです。
先日、お客様よりこんな相談を受けました。
入居するときに鍵交換代金を支払っています。
退去のときも支払う必要がありますか？
次の入居者が鍵交換するのに
鍵を失くして僕が鍵交換する必要あるの？
鍵交換費用は、だいたい1万円前後ですが、
払わなくて良いのであれば、払いたくないですよね。
今回のお悩みを整理すると、こんな感じです。
「入居のときに鍵交換代払ったのに支払う必要があるか？」
「次の入居者が鍵交換するのに鍵交換費用支払う必要があるか？」
こちらの質問に関しての答えは、
『鍵を紛失した場合は鍵交換代を支払う必要がある』です。
早速説明していきます。
◆この記事を書いているのは…
■大阪府出身・東京都在住
■不動産売買(土地・建物)営業：約４年
■賃貸不動産営業・管理 ：約８年
今までで５００組以上の方々の
お部屋探しをお手伝いしてきました。
自分の部屋探しの経験も踏まえて解説！
紛失した鍵の交換代は誰が支払う？
『 鍵紛失した場合は借主が支払うことが多い 』
鍵を不動産屋さんに返そうと思ったけど
1本足りない….
鍵を紛失されたんですね
そうなると鍵交換代を支払うことになると思います
鍵はオーナーにとっても入居者にとっても、とても大事なものです。
しっかりと失くさないように管理しましょう。
ただそうは言っても、失くすこともあるでしょう。
退去時には借りた鍵は、返さなければなりません。
もし借りた本数分を返せなかった場合は、
借りている人が、その費用を支払うケースが多いです。
これに関しては、指針として国土交通省が示している
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」があります。
『 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン 』
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、
退去時における原状回復をめぐるトラブルの未然防止のため
妥当と考えられる、一般的な基準を示したものです。
その為、このガイドラインが絶対というわけではありません。
あくまで「一般的な基準」です。
こう書かれています。
出典：国土交通省ホームページ （https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html）
右下の赤線を引いた場所をご覧ください。
「交換費用相当分を全額賃借人負担とする」と書いてあります。
つまり、鍵を紛失した場合は
一般的には借りている方が支払う必要があるということです。
『 契約書を確かめてみよう！ 』
ガイドラインをご覧頂きました。
ただ、優先されるのは個々の契約です。
民法には、契約自由の原則というものがあり、
内容は、当事者同士で自由に決定できます。
契約ごとにその契約内容は異なります。
そのため、鍵の紛失の場合はどうなるのか
まずは、契約書を見てみましょう。
悩み①入居時に鍵交換しているのに支払うの？
でも入居するときに鍵交換代を支払っているのに
また交換費用を支払うのは納得いかない…
2回支払ってる感覚になりますよね
でもこの2つは別物なんです
申し込みをする際に、不動産屋さんから見積書を見せてもらいます。
その際に鍵交換費用が入っていることが多いですよね。
最初の鍵交換と紛失による鍵交換は全くの別物です。
入居時の鍵交換はセキュリティに関わるものです。
もし前の入居者が複製していたとしても
鍵交換をしていれば侵入がしにくくなります。
対して、鍵紛失の鍵交換は原状回復によるもので
簡単に言うと
鍵を2本借りた⇒退去時に借りた2本を返す必要がある
⇒1本しか返せなかった⇒1本分の費用を支払う
ということです。
つまり入居時の鍵交換をしたからと言って
「鍵を返さなくて良い」とはならないず
借りたものはしっかりと返すということですね。
入居時の鍵交換代金もそうですが、
実は任意(お客さんが選べる)項目が
いくつかあるのはご存じでしょうか？
詳細はこちらをご覧ください。
悩み②次の入居者が鍵交換するのに支払うの？
でもどうせ次の入居者が鍵交換するんだから
交換する必要ないんじゃないの？
たしかにそう思いますよね
でも次の入居者の契約は関係ないんです…
「次の入居者が鍵交換するから必要ないのではないか？」
このような意見を頂くこともあります。
ですが、次の入居者の鍵交換は全く別の話となります。
『 次の入居者が鍵交換するか分からない 』
まず前提として、鍵を失くした今回の契約と
次の入居者の契約は全く関係がありません。
その上で話を続けます。
次の入居者が鍵交換をするかどうかは分かりません。
実は入居時の鍵交換は強制でなく任意です。
不動産屋が見積もりに鍵交換費用を入れて
何の説明もなく、お客様に見せるので
鍵交換が絶対に必要なものと思っている方が多いです。
任意であるので、次の入居者が鍵交換をしない可能性もあります。
『 次の入居者がいつ入居するか分からない 』
次に、次の入居者が見つかるかどうかという問題もあります。
なかなか次の入居者が見つからずに、
ずっと募集中になっているという状況もあり得ます。
そうなると、1本紛失している鍵を
そのままにしていると不用心ですよね。
その為、鍵を紛失しているときには
鍵交換が必要となります。
まとめ
まとめです。
◇個々の契約内容が優先されるので契約書を見てみる
契約書は小さな字で分かりにくい箇所もあるので
分からない場合は不動産屋さんに聞いてみましょう！
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